経歴から
介護の専門学校卒業後、介護士15年以上、相談員6年、ホーム長8年と介護全般の仕事に従事してきました。その中で現場のことから、コンプライアンスや運営方法まで様々な経験をしてきたことをここに書き留めていこうと思います。特に中間管理職で頑張っているリーダーやホーム長を応援したい!
利用者様の為、スタッフの為、健全な運営の為、日々お疲れ様です!
さて、今回はチームづくりの考え方について書いていこうと思います。職員の質や、チームワークがない、愚痴が多いなど悩みも多いのではないでしょうか?今回はチームづくりを記事としてみたので参考になればと思います。他にもシフト作成のことも書いてます。良かったらみていってください。
そもそもチームって?
チームとは、全員が1つの目的や目標を達成するという意思のもとに集まった・集められた人の集団で、共同作業を実行する集まりに対し用いられます。
介護の目的は、介護保険法に書かれています。
“高齢者が自らの意思に基づき、自らの有する能力を最大限活かして、自立した質の高い生活を送ることができるように支援すること”
これが目的です。ケアプランや訪問介護でいう目標となります。(利用者様にあわせて言い回しはかえるます)介護スタッフのチームは、この目的の共通認識をもち、一人ひとりの利用者様への支援方法を考え、実行し、修正し、また新たに支援する。これがチーム運営の軸となる目的です。
チームがうまくいかない原因
冒頭にも書きましたが、うまくいかないことで悩んでおられるリーダーやホーム長の方は多いのではないでしょうか?筆者も悩みました。サービスの質のばらつきや、コミュニケーションのエラー、職員間の不平不満などなどうまくいってない要因は複雑に混ざりあっており、原因をさがすのは大変です。
でも、根本の原因は単純な所にあったりもします。
その一つとして、チームの目的や目標がないというのが原因だったりします。もっというと、チーム内で言語化された目的や目標がないということです。それでは、共通認識をもつこともできないし、みんなやることはバラバラ、悩みもつきません。
目標や目的を言語化することの効果
目的と目標の違いは、『最終的に成し遂げたい事柄』を指す目的に対し、目標とは『目的を達成するための指標のこと』を指します。2023年阪神が優勝しました。岡田監督は 「A R E(アレ)」とチーム内での共通言語があり、その目的の下、各選手やコーチが目標をもち役割を全うしていきました。その結果が優勝です。介護に優勝はないかもしれません。介護におきかえると、利用者様が話してくれるようになった、口から食事が食べれるようになった等、支援を通して利用者様のQOLが向上するというのが一つの優勝かも知れません。その為に共通の目的や目標を言語化し、各スタッフが自分の役割に責任をもち、サービスを提供することが大事になります。また、会議をする際も目的のない会議にならず、有意義なものとなるでしょう。リーダーも何かアクシデントがあった時にスタッフを注意しないといけない場面となっても、伝えやすいと思います。これが全てではないですが、チームをまとめていきたいのであれば、あるべきものです。そういうのが必要ないと思う方もいるかもしれません。ただし、ケアプランの目標は、施設、在宅関係あるはずです。そこは誰も無視できない絶対的なものです。チーム目的はもたないにせよ、ケアプランの目標は守った上での支援は心がけてくださいね。もちろん、目標がずれていれば、みんなで修正すればよいです。
目的や目標の立て方
このブログはフロアのリーダーや、ホーム長を想像しながら書かせてもらっています。目的や目標を立てる上で注意しないといけない事が1点あります。それは、勤務されている会社の理念(目的)や今年度の目標からずれないようにしないといけません。会社の目的があって、施設の目的があり、チームの目的があります。それを達成するために、勤務先で何ができるのかという形で考える必要があります。目標を立てる上で大事な点は、定量的な部分の言語化と定性的な部分の言語化 とこの2点が大事になってきます。
定性目標 | 数値化できず、実績や成果から見えない部分を評価する目標のこと |
定量目標 | 数値や数量で表すことができる目標のこと |
定性目標の立て方(数値化できず、実績や成果から見えない部分を評価する目標のこと)
これについは、会社の理念、施設の理念などから派生させてつくるのが良いかと思います。理念は大きい目標となっているので、理念の下、自分たちの環境で目標を考える必要があります。
(例) | 会社の理念:尊重と信頼の基づく個別ケア提供し、地域社会へ貢献する。 施設の理念:入居者様を尊重し、個別ケアを提供する。また地域福祉の一角を担う施設となる。 チームの目的:入居されている利用者様へ個別ケアを提供し、笑顔で暮らして頂く |
基本的には、チームの目的を達成する事で施設の理念がどう結びつくのか、こじつけでも良いですがリーダーがしっかりと説明できればOKです。あとは、チームのメンバーがテンション上がる目標にできれば最高です(^^♪
定性目標の立て方(数値や数量で表すことができる目標のこと)
これに対して、苦手意識を持っておられる方が多いのではないでしょうか?それか、リーダーやホーム長は苦手でなくても、現場スタッフが耳を塞いでしまうこともあるのではないでしょうか?まずは数値の立て方ですが、昨年よりよくするという数値の立て方でいいかと思います。まず、何を数値や数量化するかです。仮に、チームの目標を先ほどの ”入居されている利用者様へ個別ケアを提供し、笑顔で暮らして頂く”にしましょう。ここから言葉を分解して考えてみます。
チーム目標 | 具体的に | 昨年度の状況 | 今年の目標 |
個別ケアを提供 | 排泄 食事 入浴 | 排泄(オムツ交換の方が10名) 食事(介助の必要者8名) 入浴(2人介助が5名) | 10名→5名 8名→2名 5名→3名 |
笑顔で暮らして頂く | レク 外出の機会 事故を減らす | レク(年間6回) 外出の機会(年間1回) 事故を減らす(年間30件) | 6回→12回 1回→6回 30件→10件 |
上記は一つの例ですが、あまり数値化を難しく考えず、言葉から掘り下げていけば数値化は可能かと思います。数値の設定は、達成が難しい数字にせず手の届きそうな数値にすることも大事です。年収500万の方が、一年で年収1億円などなかなか難しいです。一人でするのであれば好きにしてもいいかも知れませんが、あくまでチームの目標です。全員で頑張れば達成できるくらいの数値目標にすること、リーダー一人で決めなくてもよいです。メンバーと話し合い、落としどころを見つけるのも方法です。
PDCAをまわす
ここまでできれば、実行するだけです!PDCAという言葉はよくきくかと思います。
Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)
の頭文字をとった略語です。今年の目標を数値化しただけでは達成できません。さらに具体的に何をするかが大事です。先ほど設定した、今年の目標をさらに落とし込んでいきましょう。
レク | 6回→12回 | いつだれがするか決める 内容はどうするのか |
外出の機会 | 1回→6回 | いつだれがするか決める 内容はどうするのか |
事故を減らす | 30件→10件 | 事故の内訳を調べる どの事故から減らすのか 担当は誰がするのか ヒヤリハットは書かれているか |
ただ、数値化するだけでは達成できません。テストで全科目100点とると宣言しているのに何も勉強していないのと同じです。そこからチームメンバーと役割や具体的にどんな行動をするか考えながらしていくことが大事です。的外れになることもあるかも知れませんが、気づいてから修正すればいいんです。でないと、何もはじまりません。PDCAをまわす上で大切なのは、やはりコミュニケーションです。もっというと進捗状況の管理です。月1回第三水曜日15時~など、いつどこでするのか決めて進捗管理をするようにしましょう。これを怠り、一年後の結果だけみると言うことをしてしまうと散々な結果になるものがほとんどです。部下が悩んでいる部分もあったりするので、コミュニケーションを取りながら進めましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?チームづくりやメンバーに悩んでおられる、役職者は多いかと思います。それの原因は多岐にわたるので一概にこれをすればというわけではありませんが、ご参考になればと思います。また、問い合わせフォームもあるのでお力になれることがあればお問合せください。
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